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2020.05.22

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マリフォーも賛同【内閣府に提出】新型コロナウイルス感染症に関する報道とITの利用に関する緊急要望書

新型コロナウイルスの感染拡大を防止することは重要ですが、LGBTQへの偏見や差別が助長されることはあってはなりません。

マリフォーで実施した「新型コロナウイルス感染拡大の影響についてのアンケート」でも、感染時の家族・友人・病院・会社・学校への報告や公表に関する不安が多く寄せられました。ご回答くださった方、改めてありがとうございました。

この度、「新型コロナウイルス感染症に関する報道とITの利用に関する緊急要望書」が、竹本直一内閣府特命担当大臣、平将明内閣副大臣、瀬尾傑インターネットメディア協会代表理事に提出されました。

要望書には、マリフォーの理事(柳沢正和、松中権)が共同発起人に名を連ね、また、マリフォーも団体として賛同しています。

要望書についての石戸諭さんの記事がハフポストに掲載されています。
「偏見や差別を助長する報道はもういらない。LGBTQ当事者が要望書を提出した理由」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/ishido20200521_jp_5ec5eb85c5b691c0e9ede846

また、要望書はこのブログに全文載せているほか、pdfでもご覧になれます。
ぜひご一読ください。

なお、マリフォーとしては、別途、プライバシー侵害や差別偏見助長のおそれへの配慮をすることなどを求める要請書を、内閣総理大臣、総務省、厚労省宛に提出もしております。

 

内閣府特命担当大臣 竹本 直一 様
内閣副大臣     平  将明 様
インターネットメディア協会 代表理事 瀬尾  傑 様

新型コロナウイルス感染症に関する報道とITの利用に関する緊急要望書

共同発起人(団体、及び個人 順不同) 
柳沢 正和(一般社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に 理事)
長谷川博史(日本HIVネットワークジャンププラス 理事)
レインボープライド愛媛
繁内 幸治(一般社団法人 LGBT理解増進会 代表理事)
森  あい(弁護士)
村木 真紀(認定NPO法人 虹色ダイバーシティ 理事長)
杉山 文野(NPO法人東京レインボープライド 共同代表理事)
一般社団法人レインボーフォスターケア
生島  嗣(認定NPO法人ぷれいす東京 代表)
松中  権(ゲイ・アクティビスト、一般社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に 理事)

 

 各種報道によると、現在、韓国において、新型コロナウイルスの検査で陽性と判定された方が、ゲイクラブ(ゲイバー)を訪問していたという報道を契機として、SNSを中心に、同性愛者に対するバッシングが過熱しています。また、報道を受け、Youtuberなどの個人が、当日店を利用していた個人をSNSなどで特定し、個人名等を挙げ、批判に及ぶ事態も生じているとのことです。


 ゲイ、レズビアン、バイセクシャルといった性的指向においてマイノリティである者にとって、自らの性的指向の暴露(アウティング)は、自身の家族関係や就労環境を不安定なものにし、仲間との人間関係を分断し孤立に追い込んだりしかねないものです。


 また、断片的な情報が不必要に表面化することで、当人が実際に性的指向におけるマイノリティであるかどうかにかかわらず、性的指向に関するいじめや嫌がらせを誘発することも懸念されます。


 出生届に記載された性別とは異なる性を生きるトランスジェンダーにとっては、性別情報は秘匿性が非常に高いことがままあり、特に、法律上の性別と社会生活上の性別が異なる場合に法律上の性別が公表されることは、社会生活上の困難を引き起こし、また、当人の尊厳を損ないかねません。


 このような事態に際し、メディアやITに関わる皆様には、格別の配慮をお願いします。感染症対策は目下、最重点政策であり、その重要さに関しては異論の余地がありません。しかしながら、必要のない属性を含んだ感染者、濃厚接触者及びクラスターに関する、ITの利用による情報収集や報道が、図らずもいじめや嫌がらせを産み出すような事態を生まないよう、なお一層の尽力をお願い致します。


 韓国で起きているような事例が発生すると、当事者はセクシュアリティの暴露を恐れて、公衆衛生上必要な疫学調査への協力もしにくくなり、その結果が国の感染症対策を阻害すことにつながりかねません。幸い日本ではこのような事態は報じられていません。しかしながら、今後日本でも、同様の悲劇がおこる可能性があります。


 報道関係各位に対し、正確な情報に基づく冷静な報道を呼び掛けます。表現の自由は重要であり、個別の表現や判断に介入する意向はありませんが、性的指向や性自認に関する理解増進や当事者等の不当な取り扱いの防止に関して、一層の協力を求めたいと思います。


 また、政府に対して、SNSをはじめとしたITの利用を適切に行うことを国民に呼びかけ、一層の施策の深化と強化を依頼致します。

以 上

賛同団体・個人(順不同)
大畑泰次郎(弁護士)
Take it!虹 
奥結香(NPO法人TetoCompany 理事長)
金井聡(一橋大学大学院)
杉山文野 山田なつみ(NPO法人東京レインボープライド 共同代表理事)
藤田直介(LGBTとアライのための法律家ネットワーク 共同代表)
LGBTとアライのための法律家ネットワーク
河野理子(弁護士/LGBTとアライのための法律家ネットワーク理事)
松岡宗嗣(一般社団法人fair 代表理事)
小浜耕治(東北HIVコミュニケーションズ 代表)
三浦 暢久(NPO法人カラフルチェンジラボ 代表理事)
荒牧明楽(OVER THE RAINBOW 代表)
前田邦博(社会福祉士)
佐藤貴子
後藤加奈
千葉三雲
レインボーポート向日葵
ELLY福井
石内禎子
LGBTハウジングファーストを考える会・東京
SWASH(Sex Work And Sexual Health)
蒲生逸司(ダイバーシティWakuWaku)
小松ゆき(にじいろCANVAS 共同代表)
白鳥颯也(任意団体Color Calibrations代表)
くまにじ
信濃小百合
にじ色のたねを育てる会
レインボー山口
河野陽介(多様な性を考える会 にじいろ神栖)
古野ひとみ (NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会 理事)
平石美和子
岩橋恒太(特定非営利活動法人akta 理事長)
カラフル@はーと
中島みつこ(NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会)
松宮まゆみ
一般社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に
荒木順(特定非営利活動法人akta 理事)
岡田実穂(レイプクライシス・ネットワーク)
宇佐美翔子(Broken Rainbow – Japan)
時枝穂(Rainbow Tokyo 北区 代表)
NPO法人レインボーコミュニティcoLLabo
吉田みゆき 
自治体にパートナーシップ制度を求める会
Team Respect and Solidarity(TRanS)
稲場雅紀((特活)アフリカ日本協議会国際保健部門ディレクター)
小野アンリ(FRENS 代表)


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