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レポート 国会関係 マリフォー国会

2019.12.10

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【連載】「マリフォー国会 – 同性婚を伝えよう」①

11月19日(火)午後1時、衆議院第二議員会館 多目的会議室において、第1回「マリフォー国会 – 同性婚を伝えよう」が開催されました。

院内集会マリフォー国会11月19日13時から衆議院第二議員会館1階多目的会議室 ゲスト下山田志帆さん(プロサッカー選手、SFIDA世田谷FC、twitter)石黒徹さん(森・濱田松本法律事務所,パートナー弁護士)クリストファー・ラルフアーさん(在日米国商工会議所会長)

会場は同性婚を求める当事者や支援者でほぼ満席。

各委員会審議の合間を縫って、28名の国会議員、さらに秘書も駆けつけ、同性婚の意義を伝える講演や「結婚の自由をすべての人に」訴訟原告たちをはじめとする切実な声に耳を傾けると共に、激励のメッセージを寄せてくれました。

熱気に満ちた当日の様子を、複数回に分け、詳細な記録としてお伝えしたいと思います。このレポートは外部ボランティアとしてフリーライターの萩原まみが担当します。 

 

司会進行を務めたのは訴訟弁護団の大畑泰次郎と皆川洋美。

最初に代表理事の寺原真希子から開会の挨拶がありました。

寺原真希子(「Marriage For All Japan」代表理事)

寺原真希子、Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に代表の挨拶

同性婚実現のためのマリフォーの取り組み

マリフォーは、同性婚の法制化を実現するために設立した団体で、3つのミッションを掲げて活動しています。

1つめは、訴訟支援を介して違憲判決を得るという司法による同性婚の実現。

2つめは、国会議員のなかに賛同者を増やして民法を改正するという国会による実現。

3つめは、それらを加速させるための一般の方々の意識喚起です。

私は同性婚の実現には2つの意義があると考えています。

1つめは、法律婚をしたカップルのみに与えられる権利や利益が享受できないことによって、同性カップルが直面している具体的な不利益を解消するという意義。

もう1つは、国が同性婚を認めていないこと自体によって、日々助長されている「セクシュアル・マイノリティは正式に認める必要がないものだ」という間違った刷り込みを取り払うこと。

国会において超党派で差別是正を

同性婚が認められていない現状はセクシュアル・マイノリティからセクシュアリティを理由として結婚という選択肢を奪うもので、わかりやすい差別です。このようなあからさまな差別は「人権」の問題であって、保守だとか革新だとか、右とか左とかいう次元の話ではありません。ある個人がひとりの人間として尊厳を持って生きることができるか否かという話です。

国会においても党派を超えて同性婚を実現させていただく必要があると考えます。現在、セクシュアル・マイノリティ当事者や支援者の団体など、61の団体が全国各地で賛同を表明しています。同性婚を求める動きは日本全国で大きなうねりとなっています。

すべての人が生きやすい社会へ

「結婚の自由をすべての人に」訴訟については、2021年春ごろから次々と判決が出されることと思いますが、判決を待たずに一刻も早く国会によって解決されるのが望ましいことは言うまでもありません。

マリフォーでは各政党に同性婚を実現するための法改正を求める要望書を提出いたしました。

私は現時点でシスジェンダーの異性愛者だと認識していますが、私のようなシスジェンダーの異性愛者にとってもこの問題は決して他人事ではありません。私は女性という意味では社会におけるマイノリティですし、男性であっても事故にあったり、あるいは親の介護が必要になったり、今までのライフスタイルを変えざるをえない局面がいつ訪れるかわかりません。

セクシュアル・マイノリティが生きやすい社会はすべての人が生きやすい社会であるはずです。同性婚を認めることができるか否かは、日本が個々人の生き方を本当の意味で尊重する社会に移行していけるかの試金石でもあると考えます。

マリフォー国会は、すべての人がこの問題を「自分ごと」として捉えることで、同性婚の実現をぐっと引き寄せる会にしていければと思います。

text:萩原まみ photo:谷山廣


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