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【連載】「マリフォー国会 – 同性婚を伝えよう」④国会議員メッセージ(1)
出席した国会議員からの激励メッセージと、各地から駆けつけた訴訟原告および当事者によるリレートークが続きます。
ここでは、正確な記録に基づいて、ご登場順に発言を紹介していきます。ただし、読みやすくするため、重複箇所を省略し、語句の統一などの修正をした上で、議員と当事者のスピーチを分けて並べました。無所属の方につきましては、会派所属がある場合は会派も掲載しています。(党名、所属などは、2019年11月19時点)
串田誠一衆議院議員(日本維新の会)
私は同性婚には大賛成です。
昨日、LGBT議連の集会にも出席いたしました。憲法24条には「両性の合意にだけ基づいて」と書いてありますが、これは両性の合意のみでは結婚できなかった封建的な時代に、「婚姻は個人の自由である」と示しただけであって、同性婚を禁止した規定は一切ないわけです。
13条には「国民の幸福を追求する権利は保障しなければならない」と書いてありますので、現在の日本が同性婚を認めていないのは違憲であると考えております。
石川大我参議院議員(立憲民主党)
今年7月、「日本にも同性婚を」というテーマを掲げて当選させていただきましたので、6年間、しっかりと皆さんといっしょに活動をして、なんとしても実現したいと思っております。
立憲民主党は6月に、社民党、共産党と共に、婚姻平等法、民法の改正案を提出しました。与党の皆さんが審議しようと言ってくだされば、いつでも実現できる。
皆さんの思いを大きく大きくして、後押しをしていただいて、国会のほうでもしっかりと実現していきたいと思っております。
石井苗子参議院議員(日本維新の会)
法務委員会の雰囲気を申し上げますと、夫婦別氏に関する与党側の答えは判で押したように何年も変わりません。つまり、反対なわけです。同性婚につきましては、先ほど、ラフルアー大使と石黒弁護士から、経済的な視点でのご発言をいただきましたが、かつて、「生産性がない」という発言をした議員もいらっしゃいました。言葉の誤解を招いたと、後で弁明されたそうですけれども、日本には観念的な問題が根強くあります。しかし、私もこの目で確認しましたが、憲法にはそのように書いてありませんので、憲法に反する行為を国が行っていると言ってもおかしくない状態なわけです。
海外の議会で、同性婚の何がいけないのかと堂々と議論している動画があります。そのような動画なども見ていただいて、日本においてももっと大きなうねりにしていく必要があります。
私自身は反差別主義者として国会議員になりましたので、これからもがんばっていきたいと思います。
福島瑞穂参議院議員(社会民主党)
実は30年以上前、「同性婚を求める裁判をしたい」という相談を受けたことがあります。そのときは裁判は起こさなかったのですが、今度は実現できるよう、国会で法律ができるように、しっかり応援していきたいと思います。
婚姻届が出せないことで、配偶者ビザが取れない、税金の問題、法定相続人になれないことなど、さまざまな不利益があります。届けを出す出さないは本人が選ぶが、出すという選択肢ももちろん認められるべきだと思います。
ハラスメント指針案にしっかり「SOGIハラのことを入れるべきだ」と午前中、熱弁を奮って厚生労働委員会で主張してきたのですが、それも含めて変えていきたい。
すべての人がすべての選択を認められ、結婚するしないを選べるように、国会のなかでがんばっていきます。
熊谷裕人参議院議員(立憲民主党)
以前はさいたま市で市議会議員をやっておりました。「同性婚を認めてほしい、パートナーシップ制度を作ってほしい」と、地元の方が勇気を出してカミングアウトして請願を出してくれまして、市議会で制度を作ろうと働きかけ、市長の英断でいち早くパートナーシップ制度を創設の決定いたしました。
しかしながら、それだけでは足りません。自治体が条例だけでやっても法律上さまざまな壁があります。それを取り払えるのは国会だけです。
同性婚を認めて、自由に誰もが平等に生きたいように生きられる、そんな世の中を作ってまいりたいと思います。
寺田静参議院議員(無所属)
個人の尊厳の観点から、今の状態は深刻な人権侵害だと考えております。
地元の秋田にはさまざまな課題がありますが、今回、初当選で議席をいただきまして、真先に頭に浮かんだのは、もしもこの6年の任期のなかで同性婚に一票を投じることができれば、それだけで議席をいただいた価値があったのではないかということでした。
吉良よし子参議院議員(日本共産党)
誰かを好きになること、そしてその人と人生を共に歩みたいと思うこと、それは人として当然の願いだと思います。誰を好きになるか、結婚するかどうか、それは個人の自由のはずなんです。なのに、今の日本ではその自由が、当たり前の願いが、かなえられない現実があります。なぜ、好きになった相手が同性だったら結婚できないのか。結婚ができないことによるさまざまな不利益をこうむらなくてはいけない。こんな理不尽な、不平等なことはないと思うんです。
不平等があるんだったらそれを解消していく、それが私たち政治家の責任だと思います。何よりも憲法には法の下の平等、幸福を追求する権利が書かれているわけですから、そのために私たちも力を合わせる決意です。
一方で、皆さまの長年の声を上げている運動が社会を動かしているのも事実だと思うんです。
もう28の自治体でパートナーシップ制度が実現している。それだけではままならないから法律が必要だ、ということだと思うのですが。諦めない。必ず変えるんだ。そのために希望を持って運動をしていきたい、私も皆さまといっしょに声を上げ続ける決意です。
高瀬弘美参議院議員(公明党)
与党としましても同性婚を前に進めるために、勉強会もしながら理解を深めていく活動をしているところです。与党が動かなければ法律は動きませんので、しっかりと理解者を増やすべく、がんばってまいりたいと強く思っております。
今、各地の自治体でパートナーシップ制度が前に進んでおりますけれども、この制度につきましても公明党の議員もがんばっております。地方を動かしながら、行政でできることを前に進めながら、最終的なゴールである同性婚をめざして、しっかりと前進をしてまいりたいと思います。
私も外務委員会や決算委員会等で同性婚のことを取り上げさせていただいております。
まだまだ理解が少ない部分もありますけれども、しっかりと声を上げながら、ここにいる友人の皆さんのためにがんばってまいります。
音喜多駿参議院議員(日本維新の会)
都議会議員の時代から同性婚の実現に向けて、2015年からは東京レインボープライド、パレードにも毎年参加しております。
偉そうなことを言っても実は、政治家になったばかりの頃、同性愛の方々に差別的な表現をして、いわゆる炎上ということをしたことがあります。当時を振り返って、なぜそのようなことをしてしまったのかと考えますと、単純な知識不足、理解不足だったと思うんです。その後、たくさんの方にご指導いただきまして、今は同性婚を進めるという立場になっております。
ですから、おそらく皆さんの運動というのはすごく意味があって、かつての私のように単純な誤解、知らない、そのために偏見を持っている方々を必ず変えていくことができると思っております。私もみずからの反省から、この運動の先頭に立って進めていきたいと思っております。
伊藤岳参議院議員(日本共産党)
身内にもLGBTの当事者がおります。彼からカミングアウトされたとき、すべての個人の尊重をめざしてがんばってきた私が、若干、意識喪失状態になりました。そんな自分が悔しい、悲しい思いをしたことを、つい昨日のことのように覚えています。彼は今、同性婚を願ってさまざまな活動に参加しております。
私も埼玉県内で同性パートナーシップを広げる運動に関わってきました。
憲法13条には「すべて国民は、個人として尊重される」と書いてあります。同性婚の実現は憲法に照らしても当然。
確信を持って、共に前に進んでいきましょう。
text:萩原まみ photo:谷山廣