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東京訴訟第4回期日報告!!
2020年2月3日、「結婚の自由をすべての人に」東京訴訟第4回期日と、その期日報告会が開かれました!
●「結婚の自由をすべての人に」東京訴訟第4回口頭弁論期日報告
日 時:2020年2月3日 午後2時30分から午後3時
場 所:東京地方裁判所103号法廷
裁判官:田中寛明裁判長、寺内康介裁判官、吉原裕貴裁判官
1.書面提出
【原告】
第6準備書面(現行法の規定が違憲になったことが国会にとって明白になった時期)、第7準備書面(憲法24条2項違反の主張)を陳述
証拠の取調べ(甲A184~189、191~194、甲C3、4、甲F3、4)
原告の個別事情に関する第5、第8、第9、第10準備書面は、次回期日に陳述することになりました。
【被告】
なし
2.原告ら訴訟代理人による意見陳述
原告ら代理人(仲村渠【なかんだかり】弁護士)が、第7準備書面の主張(憲法24条2項違反)について、以下のとおり意見陳述しました。
(仲村渠弁護士による意見陳述の内容)
憲法24条2項は、「配偶者の選択・・・並びに婚姻及び家族に関するその他の事項」について、法律が「個人の尊厳」に立脚して制定されなければならないと定めています。 同性同士の婚姻を認めない現行規定は、以下4点の理由から「個人の尊厳」を損なっています。 ①婚姻と密接に結びついている相続権、共同親権、在留資格など社会生活における重要な利益を受けられないこと。 ②性的指向・性自認という自ら変更できない属性を理由に婚姻を認めないことは、人種や出自による差別と同様に、個人の尊厳を最も深く傷つけること。 ③現行規定は、同性愛者等から婚姻する機会そのものを奪っていること。 ④原告らが述べるように、同性愛者等はこれまで差別・偏見によるつらい経験をしてきたが現行規定は社会の差別・偏見を助長するものであること。 |
(意見陳述終わり)
3.今後の立証計画について
原告ら代理人は、裁判所に、次回期日までに、被告第2準備書面に対する反論、原告らの個別事情に関する書面等を提出する予定であると伝えました。
裁判所は、次回期日の次に被告が反論を提出する期日を設けると述べました。
4.求釈明について
裁判所は、国に対し、札幌訴訟等など別件訴訟において、裁判所の求釈明に対して行った回答を本訴訟でも提出するよう指示し、国は同意しました。
原告ら代理人は、国に対し、裁判所が昨年の進行協議期日で本訴訟の争点として示した、
「憲法制定時の憲法適合性だけでなく、その後の社会情勢の変動の中で憲法適合性に変化が生じているのか否か、生じているとしてもそれが違憲レベルまで至っているのか否か」
について、事実を摘示した上で正面から主張するよう強く求めました。
裁判所もその点を争点として考えていると法廷で改めて述べました。
また、原告ら代理人は、2020年1月30日予算委員会において森法務大臣が現状の制度がずっと続くとか絶対に完璧であるというつもりはなく、時代の流れや様々な要請に応じて見直していくことは重要だと思っているといった趣旨の国会答弁をしたことを示しながら、国に誠実な回答を求めました。国はこの点について提出するかどうかの明確な回答を避けました。
5.意見陳述について
原告ら代理人は、原告らの個別事情について、原告ら本人による意見陳述の実施を求め、これまでに原告3名の意見陳述が行われました。
原告ら代理人は、次回期日に原告3名の意見陳述の実施を求めました。また、原告小野さんと原告西川さんが、直接裁判長に対し、まだ話していない原告らの意見陳述の機会を設けて欲しい、私たち同性愛者の思いを直接聞いて欲しい、それぞれの抱えている事情は異なるので1人1人の話を聞いて欲しい、と口頭で求めました。
裁判所は、人数については4月の進行協議期日で決めると明言は避けましたが、原告らの発言にも最後まで耳を傾けた上で、意見陳述の実施については前向きに考えていると述べました。
次回期日
2020年4月中に進行協議期日を行う予定(日程は未定)
2020年5月13日 午後2時30分
●期日報告会
日 時:2月3日午後3時30分~4時30分
場 所:弁護士会館2階クレオC
まず最初に、新たに「結婚の自由をすべての人に」訴訟弁護団に加入した弁護士2名のご紹介をいたしました!
(左:金子弁護士,右:簫弁護士)
そして、期日の内容について、まずは、法廷で代理人意見陳述を行った仲村渠(なかんだかり)弁護士が、憲法24条2項違反の主張の意義と現在の法律が憲法24条2項に違反する理由について説明しました。
(仲村渠弁護士)
次に、上杉弁護士が、今回の期日での裁判官とのやりとりについて、裁判所が、これまで消極的だった原告らの意見陳述について前向きな姿勢を見せ、また、国に対して、自ら、札幌など他の訴訟の求釈明事項について主張を出すよう指示するなど大きな進展があったと説明しました。
(上杉弁護士)
その後、中川弁護士が、今後の裁判の進行を説明しました。中川弁護士は、裁判官を動かすには、現在の法制度で当事者の尊厳がいかに傷つけられているのかをわかってもらうことが必要で、それには原告が法廷で日常生活やこれまでの経験を話すことが重要であると説明し、今回の期日で原告の意見陳述の実施に向け突破口を開くことができたと述べました。また、法律上の主張については、社会情勢の変化により憲法解釈が変化したことを主張し、これに関し、憲法学者など専門家の意見書を証拠として提出する予定であると説明しました。
(中川弁護士)
最後に、原告の皆さんが今回の期日の感想を話しました。原告の皆さんからも、これまで裁判所が原告らの意見陳述の実施に消極的だったため、自分達のつらい経験もたいしたことではないといわれているように感じて傷ついてきたが、今回、裁判所の姿勢に良い方向での変化が見られたという喜びの声が多く聞かれました。
(小川葉子さん)
(大江千束さん)
(佐藤郁夫さん)
(ただしさん)
(クリスティーナさん)
(小野春さん)
●報告会動画とYoutubeチャンネルのご紹介
期日報告会の様子は、コチラから動画でご覧いただくことができます。
また,過去の期日報告会の様子は,こちらのマリフォーチャンネルでご覧頂けます!
このチャンネルでは、他にも、「結婚の自由をすべての人に」訴訟に関する様々な動画コンテンツが随時配信されていますので、是非チャンネル登録をお勧めします!!
次回以降も、毎回期日報告会は開催いたしますので、ぜひ奮ってご参加ください。