最新情報

九州訴訟 裁判情報

2022.09.22

  • Facebook
  • Instagram

【九州】第10回裁判報告!尋問が行われました

結婚の自由をすべての人に九州弁護団からのお知らせです。


「結婚の自由をすべての人に」九州訴訟第10回裁判 報告

日 時:2022年9月5日()10時30分から

場 所:福岡地方裁判所の第101号法廷

裁判官:上田洋幸裁判官、橋口佳典裁判官、馬渡万紀子裁判官

 

内容

・今回は、これまでの主張を踏まえ、原告ココさん、原告ミコさん、原告まさひろさんのお父さん、原告まさひろさん、原告こうすけさん、原告こうぞうさん、原告ゆうたさんの尋問が行われました。

尋問では、通常は、原告代理人から原告本人や証人に質問し(主尋問)、そのあと、被告代理人から反対尋問がありますが、今回は、被告代理人からの反対尋問はありませんでした。また、裁判官からの質問もありませんでした。

 

報告会

・終わった後、福岡県弁護士会館2階大ホールに、マスコミ関係者や傍聴をしてくださった皆様にお集まりいただきました。

原告まさひろさん、原告こうすけさん、原告こうぞうさん、原告ゆうたさん、弁護団共同代表の石井弁護士、森弁護士から報告がありました。

会場からも、裁判について意見や感想が上がり、質疑応答や意見交換を行いました。今回は、台風が接近するなか、尋問の日ということもあり大勢の皆様に参加していただきました。九州各地だけではなく、東京など遠方から来ていただいた方もいました。皆様どうもありがとうございました。

記者会見部分のみ配信しております。日本語字幕を出すこともできます。短い動画ですのでぜひご覧ください

 

 

次回予定:2022年12月8日(木)14時から(第11回口頭弁論)

福岡地方裁判所第101号法廷

いよいよ原告、被告双方、尋問を踏まえた最終弁論を行い、次回の裁判で結審(審理を終えること)となります。その次は判決です!

傍聴整理券が配られるか、配られる場合の時間など詳しいことは、また裁判の日が近づいたらお知らせします。このブログや結婚の自由をすべての人に九州のTwitterなどをチェックください。

 

【今回の裁判の詳しい内容】

・まず最初に、原告ココさん・原告ミコさんの尋問が行われました。

日本では同性婚が認められていないため、同性パートナーは配偶者ビザが取得できず就労ビザで日本に滞在するなど別にビザを得る必要があります。就労ビザの場合、仕事ができなくなると、ビザが取得できず日本に居られなくなってしまいます。家族と一緒にいられるかは就労次第で、不安定な中に家族が置かれている現状を説明されました。

また、子育てについても、法律上、同性パートナーは親権者と認められないため、親権者であるパートナーに何かあった時に、子どもに関する事柄について意思決定ができない不安を説明されました。

また、「私たちの関係を表すとしたら、「結婚している」ということ、それ以外、関係を示す言葉はありません。早く、私たちの関係を表すことができるようになればいい」とも述べられました。

(尋問は、お一人ずつ行われています。この後レポートする原告さんたちも同様です)

 

・次に、原告まさひろさんのお父さんの尋問がありました。

原告まさひろさんのお父さんは、原告まさひろさんが同性を好きと聞かされてからも受け入れられず、そのうち女性と結婚すると思っていたそうです。しかし、原告まさひろさんが原告こうすけさんと付き合うようになってから原告まさひろさんは明るくなり、二人の様子を見て、それまでは結婚は男女がするものだと思っていたのが、同性同士であっても共に過ごしていくという信念があればいいという気持ちに変化してきたこと、異性同士でも同性同士でも、誰でも幸せになれる権利がある、親として同性婚を応援してあげたいと言われました。

 

・次に、原告まさひろさん・原告こうすけさんの尋問がありました。

同性婚が認められていない現状では、パートナーにもしものことがあった時、残されたパートナーの生活を十分に保障できないことや、利用できる制度に差があることで、同性愛者だから結婚できない存在だと言われているようで悲しい気持ちになると言われました。

法制化についての国会の審議も進まず変わらない現状を変えるため、声を上げられない他の人達のためにも、裁判所には早く違憲判決を書いて欲しいとも述べられました。

 

・最後に、原告こうぞうさん・原告ゆうたさんの尋問がありました。

原告ゆうたさんと原告こうぞうさんは、ともに家族として暮らしています。しかし、社会保険や税制等の制度上は他人とされ、どちらかにもしものことがあった場合、自分たちの関係を証明するものがないため、パートナーの命に係わる場面に関わることができないかもしれません。

これまで国は、同性婚を想定していないと言って法制化は実現しませんでしたが、同性婚は、生きている人間の人生の問題です。同性婚を願いながらも間に合わなかった人たちもたくさんいます。同性婚を望む人が一人でも多く生きているうちに、実現できるように裁判所には判決を出してほしいと言われました。

また、その判決は、この国がより安全で安心に暮らしていけることに繋がります。不本意に苦しんだり偽ったりする人が減って、幸せな人が増えることを祈っているとも述べられました。

 

 

 


BACK