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東京訴訟 裁判情報

2021.02.25

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【東京・第1次訴訟】第6回期日報告!!

「結婚の自由をすべての人に」東京訴訟弁護団より、以下のとおり、2/24・15時より開かれた第6回期日の報告がありました!


「結婚の自由をすべての人に」東京訴訟第6回口頭弁論期日報告

日 時:2021年2241500分から

場 所:東京地方裁判所第103号法廷

裁判官:田中寛明裁判長、益留龍也裁判官、岡崎真実裁判官(民事16部乙合議B

内 容:

1 前回期日から今回の期日までの間の主な動き

(1) 署名・手紙集め

前回の第5回弁論期日(2020123日)においても、裁判所が証人尋問実施に消極的な姿勢を示していたため、原告と弁護団は、原告本人尋問の実施を求めるオンライン署名と裁判所宛手紙を広く呼びかける活動を始めました。

 

(2)  被告から、裁判所に対し、20201223日付上申書が提出されました。

「各原告の作成した陳述書にある原告個人の個別の事実関係については、供述の信用性を積極的には争わないけれど、原告本人尋問が採用された場合の反対尋問権は現時点では放棄しない」という趣旨の上申書

 

(3) 裁判所から、2021224日の第6回弁論期日の後のスケジュールとして、4月頃に進行協議期日、6月頃に第7回弁論期日を実施したいとの打診が原告弁護団にありました。

 

(4) 上記(1)の原告本人尋問の実施を求めるオンライン署名18029筆と手紙34通(65名分)が集まり、第6回弁論期日直前の20212241130分頃、東京地方裁判所に提出しました。

 

(署名と手紙を届けにいく様子)

 

 

2 今回の第6回弁論期日(2021224日)の経過

 

・被告国は、第4準備書面を提出しました。

これに関連して、裁判長から、「平成271216日最高裁大法廷判決(再婚禁止期間に関する判決)は判示において婚姻の意義や婚姻の自由について触れたものであるが、この判決の位置づけについて、原告からは既に主張がなされているのに対し、被告からはこれまで十分な主張がなされていない」との指摘があり、被告に対して、国としてはどう考えるのか補充で主張するように促しがありました。

被告は、「次回進行協議期日までに補充の主張を提出するよう努める」と応じました。

 

・原告は、原告7名と学者4名の証人尋問の実施を求める証拠申出書を提出しました。

・原告が本日裁判所に対して尋問を求める署名と手紙一式を提出したことを確認しました。

原告の小野春さんは、この署名や手紙について、年配から子どもまでの気持ちがつまったものなので、ぜひ裁判官に読んでもらいたいと要請しました。

 

・続いて、原告の佐藤郁夫さんが逝去されたことに関して、原告代理人の永野靖弁護士が意見陳述をしました。

佐藤さんが2021118日に急逝されたこと、佐藤さんがゲイを自覚し始めた1980年代は同性愛に対する揶揄・嘲笑が世間にあふれていたこと、そんな中佐藤さんはゲイであることをカミングアウトして生きることを自ら選択したこと、佐藤さんは「自分が若いころに持っていた自分への否定的な気持ちを、これからの世代の人たちが感じなくてもよい社会にする」ことを目指してこの訴訟に臨んでいたこと、愛するパートナーのよしさんと結婚して夫夫になって最後を迎えたいと願っていたこと、よしさんは佐藤さんの入院先の医師に「親族でなければダメだ」と、病状説明を拒否されたことなどを語り、「残念ながら、佐藤さんのこの願いは叶いませんでした。愛する人と結婚したい、そんな当たり前の願いが、実現できなかったのです。憲法はそれを許すのでしょうか。佐藤さんは問うています。私たちは、本件審理に関わるすべての関係者が、この佐藤さんの無念の思いと問いかけを一時も忘れることなく、個人の尊重をうたう憲法の理念に深く思いを致し、自らの良心に従って、本事件に向き合っていくことを切に願うものです。」と締めくくりました。

これに対する裁判所や被告からのコメントは特段ありませんでした。

 

※永野弁護士の意見陳述の内容はこちらに全文が掲載されています。

※今回提出された書類は、Call4「結婚の自由をすべての人に訴訟(同性婚訴訟)」で公開されているのでご覧ください。

 

(5)  裁判所は、最後に、以下のとおり今後の期日を指定しました。

 

①進行協議期日:426日(月)午前10時~※非公開の手続のため傍聴不可

②第7回弁論準備期日:630日(水)午前11時~@東京地方裁判所103号法廷

 

(期日後のぶら下がり会見の様子)

 

 

3 オンライン期日報告会

 

202122419時から、YouTubeでのオンライン期日報告会を実施いたしました(アーカイブをご覧いただけます)。

 

 

4 今後の裁判の進行について

 

上記2でもご報告したとおり、今回の期日において、私たちは、原告7名と学者4名の証人尋問の実施を求める証拠申出書を改めて裁判所に提出しましたが、尋問をするかしないかの決定はなされませんでした。

ただ、この期日までの間に、被告から上記1(2)のとおり「証人尋問をやるならば反対尋問権は放棄しない」という上申書が提出されました。これは、仮に尋問が実施される場合には、国側も原告の方々に対していろいろ質問する可能性があるとの被告側の姿勢を示したということです。また、私たちが呼びかけた尋問実施を求める署名と手紙が多く集まり、裁判所へ提出しました。
こうした流れの中で、今後の尋問の実施の有無については、次回、426日の進行協議期日(裁判の今後の進行に裁判所と原告・被告が話し合うために行われる非公開の手続)において協議される見込みです。

 

また、今後、原告からは、630日の第7回弁論期日までに、今回被告から提出された第4準備書面に対する再反論を行い、また若干の主張の補充をすることを予定しています。

 

 

5 尋問実施を求める署名と手紙の提出について

 

尋問を実施して裁判官に直接原告たちの話を聞いてもらうためのオンライン署名と手紙をたくさんお寄せくださり、本当にありがとうございました。

既に署名は18000筆以上、手紙は65名からの34通が集まりました。上記1(4)にも記載したとおり、224日の午前中に裁判所に持参し、裁判官にきちんと読んでもらいたいと伝えて提出いたしました。これほどの数の署名と想いのこもった手紙によって、この裁判の注目度の高さとたくさんの人が尋問を待ち望んでいることが改めて裁判官に伝わるはずです。署名と手紙を後押しにして、尋問の実現を引き続きめざします。

署名と手紙は、Change.org「裁判長、同性婚訴訟の原告から「本人尋問」の機会を奪わないでください」において引き続き募集中です!

応援よろしくお願いします。

 


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