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2023.11.02

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【北海道訴訟】控訴審第5回口頭弁論期日・交流会・オンライン報告会レポート(2023年10月31日)

2023年1031日(火)、札幌高裁にて行われた「結婚の自由をすべての人に」北海道訴訟 控訴審第5回口頭弁論期日のご報告です。

北海道訴訟の控訴審は、この日が最後の期日でした……! 次回はいよいよ判決言渡しです!

【口頭弁論期日】

☑️ 日 時:202310311530分から1630
☑️ 場 所:札幌高等裁判所第802号法廷
☑️ 裁判官:齋藤清文裁判長・吉川昌寛裁判官・伊藤康博裁判官

1 更新弁論要旨の陳述

2023629日に行われた第4回期日から裁判長が交代したので、いままで控訴人らがしてきた主張の総まとめを、弁護団の綱森史泰弁護士・加藤丈晴弁護士・林拓哉弁護士から説明しました。

更新弁論要旨では、同性どうしの婚姻を認めていない民法や戸籍法の規定が憲法に違反すること、同性どうしのカップルにパートナーシップ制度のような制度をつくるのではなくて異性どうしと同じく婚姻を認める必要があること、裁判所が同性どうしのカップルに婚姻が認められるように国会や政府を後押しするべきだということを伝えました。

2 国見亮介さんとたかしさんの意見陳述

国見亮介さんとたかしさんから、裁判所に対し、最後のメッセージを伝えました。

国見亮介さんとたかしさんは、お互いのご両親と6人で登別温泉に行ったこと、国見亮介さんの父がなくなったときの最後の言葉が「たかし、亮介のことをよろしく頼むな。」だったことをお話ししました。
国見亮介さんとたかしさんが、異性カップルとなにも変わらない生活をしていることやごく普通の家族であることが伝わったのではないでしょうか。
法廷では、涙を流す方も多くいらっしゃいました。

3 中谷衣里さんとCさんの意見陳述

中谷衣里さんとCさんも、裁判所に対し、最後のメッセージを伝えました。

中谷衣里さんとCさんは、中谷衣里さんが両親にカミングアウトしてから両親と向き合ってきたこと、今日の期日に母親が傍聴に来てくれたことなどをお話ししました。
そして、お二人は、同性カップルの人権は、自治体や国、地域によってその保障の度合いが変わっており、まるで点いたり消えたりする灯火のようだとした上で、その灯火が消えないよう、札幌高裁の裁判官には賢明な判断をしてほしいと述べていました。
早く、同性カップルの人権の灯火が常に点いている世の中になってほしいものです。

4 皆川洋美弁護士の意見陳述

控訴人らの皆川洋美弁護士からも、札幌高裁に対し、最後のメッセージを伝えました。

皆川弁護士は、自らは法律婚をしており、子どもがおらず現在不妊治療中だというエピソードを紹介した上で「結婚制度が“男女が子を産み育てるという関係のため”という国の主張や地裁の判決はおかしい。子どもができなかったとしても、自分の好きな人と民法上の家族になりたいということは、わがままで、不遜で、社会の多数からの理解を得て“許してもらわなければならない”ことではないのではないか」と述べました。
そして皆川弁護士は「多数の人々の理解が浸透するのをただ待っているままでは、絶対に民主制の過程で是正されない。同性カップルが直面している人権課題を解決する要石となるような判決を出す英断をされることを望む」と話しました。

5 判決言渡期日の指定

裁判長から、判決言渡期日を、2024年3月14日(木)15時にすると発表がありました。

「結婚の自由をすべての人に」北海道訴訟が提起されたのは、2019214日でした。この訴訟は、訴えの提起から控訴審判決まで、バレンタインデーで始まり、ホワイトデーで終わるということになります。
判決の内容にも期待が高まります。応援してくださっているみなさまで札幌高裁にお運びいただける方は、来年314日(木)の予定を空けておいてくださいね!

 

【交流会】

5回口頭弁論期日が終わった後は、控訴人の国見さん・たかしさん・Cさん・中谷さんが主体となって、交流会を実施しました!

「結婚の自由をすべての人に」北海道訴訟 控訴審第5回口頭弁論期日後に開催された交流会の様子。机が置いてあり、机に、「結婚の自由をすべての人に」などと書かれた横断幕がかけられている。

☑️ 日時:2023年10月31日16時30分~17時30分
☑️ 場所:札幌弁護士会館5階大会議室
☑️ 内容:

1 控訴人(原告)らのトークコーナー

控訴人の国見さん・たかしさん・Cさん・中谷衣里さんに加え皆川弁護士が、期日の感想や、控訴審の裁判官への想いなどを語り、控訴審判決への期待について語りました!

2 判決言渡期日の告知

札幌高裁の期日に来ることができなかった方のために、改めて、控訴審の判決言渡期日が2024314日(木)15時になったことを告知しました。

3 参加者の方からのメッセージ・質問コーナー

会場のみなさまから、ご自身の想いや経験・応援メッセージなど、多くのコメントをいただきました。なかには、同性パートナーの親の最期に立ち会うことができなかったと、涙ながらにご自身の体験を語っている方もいらっしゃいました。

 

【期日報告配信】

口頭弁論期日と交流会が終わったのち、オンライン配信による期日報告会を実施いたしました。

☑️ 日時:2023年10月31日18時30分~19時30分
☑️ アーカイブ配信:

https://www.youtube.com/watch?v=EV2MxWMtHZc

期日報告配信では、司会の須田布美子弁護士が、中谷さん・Cさん・国見さん・たかしさんとともに、「結婚の自由をすべて人に」北海道訴訟の訴えを提起した2019214日から、控訴審が結審するまでを振り返りました。

控訴人・弁護団ともに各々の想いをたくさんお話しいたしましたが、控訴審判決への期待は大きく、札幌高裁の裁判官には素晴らしい判決をしていただきたいと思います!

 

【次回期日】

次回期日は、2024年3月14日(木)15時~、いよいよ判決言渡日です。

どのような判決が出るのかドキドキですが、ぜひとも傍聴にいらしてください!
札幌地裁の判決と同様、控訴審の判決も、控訴人や当事者らの想いを汲んだ素晴らしい判決になるはずです!
一緒に、法廷で、歴史的な判決を聞きましょう!


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