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【九州】福岡高裁第1回レポート 次回は9月2日
九州弁護団からのお知らせです。
「結婚の自由をすべての人に」九州訴訟 福岡高裁 第1回裁判報告
□日 時:2024年2月19日(月)午前11時00分~午前11時45分頃
□場 所:福岡高等・地方裁判所 第101号法廷
□裁判官:岡田健裁判官、佐藤道恵裁判官、光本洋裁判官
□内容:
- 控訴人(原告ら)から控訴状、控訴理由書(1)、(2)、(3)、(4)と証拠を提出しました。
- 被控訴人(被告・国)から控訴答弁書、証拠が提出されました。
- 控訴人4名と、代理人の後藤弁護士が意見陳述をしました。
はじめに、こうすけさんとまさひろさんが並んで法廷に立ち、続いてこうぞうさんが、次にゆうたさんが、最後に後藤弁護士が、それぞれ裁判所に向け意見を陳述されました。3人の裁判官は、目を逸らすことなく、まっすぐ控訴人らを見て耳を傾けていました。
□次回期日:令和6年9月2日14時30分~
今後は、令和6年4月末までに控訴人から追加主張を行い、その後、同年7月末頃に被控訴人・国からの反論が提出される見込みです。
あいにくの雨で足もとが悪いにもかかわらず、いつもと変わらず多くの方にお越しいただきました。ありがとうございます。まだ何とも言えませんが、次回で結審され事実審の口頭弁論としては最後となる可能性もございますので、引き続きの傍聴応援をどうぞよろしくお願いします。
記者会見・報告会
裁判終了後、福岡県弁護士会館にて記者会見・期日報告集会を開催しました。裁判から引き続いて多くの支援者及び報道関係者の皆様にご参加いただき、充実した会となりました。
冒頭、石井弁護士、森弁護士から、双方が提出した主張書面についての説明や現状説明がなされ、次に原告のココさん・ミコさんのメッセージが読み上げられました。
なかなか思うようには進まない現状に対しても、“諦めることはせず、(税金を払いながら)しぶとく言葉を紡いでいく”という、強い意志を示すメッセージでした。
ゆうたさんからは、当日初めて会った3名の高裁裁判官が「眉をピクリとも動かさない様子」に“次元が分かったのかな”と少し戸惑ったとしつつ、「自分の言葉で自分の想いを伝えることはできた。(直接言葉を伝えるのは)これが最後になるかもしれないが、伝えたいことは伝えられた。」とのお話がありました。
こうぞうさんは、法廷で涙ぐんだ場面について、「身近な人との関わりを想いも載せて伝えることはしんどい部分もあった。」と話されました。それでも、法廷では、
最後までご自身の言葉で、裁判が始まってからの出来事―知人友人が亡くなってしまったこと―を通じ、人々の姿を裁判所に伝えられていました。
こうすけさんとまさひろさんはペアルックで法廷に立たれました。その狙いは、身近にいるLGBTQ+の存在に気づいていないかもしれない裁判官に、“当事者がいないのではなく、見えていないだけである。”ということを実感してもらうため、という戦略的なものでした。
こうすけさんは法廷で「私たちが結婚できないのはなぜでしょうか。どこで、誰が、何のために、結婚 をさせない、と決めているのでしょうか。」と語られました。この言葉は、4年前に法廷に立った時と同じ言葉です。4年という歳月で社会は変わっているのに、まだ立法府は変わっていない、変えられるのは裁判所だ、と裁判所に訴える言葉でした。
ろさんは、「ご両親が生きているうちに、結婚できてよかったねといってほしい。」「この問題は幸せな人が増えるだけで、誰も不幸にならない。一刻も早く法制化してほしい。」と、真正面から、裁判所へ、社会へのメッセージを訴えられました。
代理人として意見陳述をした後藤富和弁護士は、社会が間違っていて一人の人が苦しんでいるならそれを助けられるのは国会ではなく裁判所であり、裁判官はそのために裁判官になったはず。裁判官に勇気を出してほしいと思って意見陳述をした、とその狙いを話していました。
その後、改めて森弁護士からの解説、岩波ブックレット『同性婚法制化のためのQ&A』の紹介、質疑応答と続きました。質疑応答では、裁判を始めてからの社会の変化や、当事者の皆さんの日常で感じられた好意的な変化が話題になり、それでも態度を変えようとしない立法府の姿が浮き彫りになりました。会場の皆様からあたたかい応援メッセージもいただき、とても充実した報告会でした。
さらにこの日は、夜19時から、youtubeで報告会のライブ配信も行われました。裁判の当事者に加え、スペシャルゲストとして九州レインボープライド2023で結婚式を挙げられたみえさんとかよさんも登場され、和気あいあい、とても楽しい報告会となりました。昼間に比べ、より普段の様子に近いであろう、柔らかいご様子が見られます。是非、公開されているアーカイブをご覧ください。