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【東京第二次訴訟・違憲判決】第一審判決・記者会見および期日報告会レポート(2024年3月14日)
「結婚の自由をすべての人に」訴訟 東京弁護団からのお知らせです。
2024年3月14日(木)、”最後の地裁判決”となる「結婚の自由をすべての人に」東京第二次訴訟の判決が言い渡され、5件目の違憲判断を獲得しましたので、ご報告いたします。
旗出し生中継アーカイブ動画: https://www.youtube.com/watch?v=zG_a0UT5GuM
【判決言渡し期日の概要】
☑️ 日 時/2024年3月14日 午前10時30分~
☑️ 場 所/東京地方裁判所103号法廷
☑️ 裁判官/飛澤知行裁判長、金田健児裁判官、川本涼平裁判官(民事44部甲合議1A係)
☑️ 出 席/原告8名 原告ら訴訟代理人 被告国指定代理人
<本判決の概要>
東京二次訴訟では、トランスジェンダー・同性愛者・パンセクシュアルなど、さまざまなセクシュアリティを有する8名の原告が、先行する5つの地裁判決を踏まえ、法律上同性のカップルを家族として保護する制度がまったくないことだけでなく、本件諸規定が法律上同性のカップルに対し婚姻を認めていないことが憲法24条1項、憲法24条2項及び憲法14条1項に違反すると訴えていました。
本判決では、本件諸規定及び、法律上同性のカップルが婚姻による法的利益と同様の法的利益を享受したり、社会的に公証を受ける利益を享受したりするための制度を設けるための立法がなされていない状況が、憲法24条2項に違反する状態であるとの憲法判断を示しました。また、一方で、本件諸規定が法律上同性のカップルに対し婚姻を認めていないことが違憲との判断までは示しませんでした。
○判決要旨(CALL4のサイトに掲載)
https://www.call4.jp/file/pdf/202403/9fc15bba1300f92c143c948a9e210481.pdf
○判決全文(CALL4のサイトに掲載)
https://www.call4.jp/file/pdf/202403/2c62a09d6fb3aea49b744ce0bc02bef7.pdf
<本判決の意義>
本判決は、「結婚の自由をすべての人に」訴訟・地裁判決では5件目の違憲判断で、本件諸規定及び法律上同性のカップルが婚姻による法的利益と同様の法的利益を享受したり、社会的に公証を受ける利益を享受したりするための制度を設けるための立法がなされていない状況は憲法24条2項に違反する状態であるとの判断を示した点で、東京地裁(一次)、名古屋地裁および福岡地裁の一連の判決の流れを踏襲する判断です。
また、本判決は、自己の性自認及び性的指向に即した生活を送ることが重要な人格的利益に根差した「かけがえのない権利」であるとし、また、法律上同性のカップルにとっても婚姻の本質を享受することは重要な人格的利益であると明確に指摘し、本件諸規定が法律上同性のカップルの婚姻を認めず、その他利益を享受するための何らの制度も設けられていないことは、自己の性自認及び性的指向に即した生活を送るという重要な人格的利益を、法律上同性のカップルから剥奪するものであるとも判示しました。
そして、本判決は、立法府である国会に対し、適切な法律上同性のカップルの「婚姻に係る法制度化」をするよう「強く期待される」と明確なメッセージを発しました。
一方で、本判決は本件諸規定が法律上同性のカップルに対し婚姻を認めていないことが違憲との判断までは示しませんでした。この点は極めて残念です。
なお、本判決については、「結婚の自由をすべての人に」訴訟東京弁護団及び「結婚の自由をすべての人に」訴訟全国弁護団連絡会として、弁護団声明を発表しましたので、詳しくはこちらをご覧ください。
○弁護団声明(CALL4のサイトに掲載)
https://www.call4.jp/file/pdf/202403/b79c0cc29277aaf4b023bb1709f37b4c.pdf
【記者会見・期日報告集会】
判決後、記者会見と判決報告集会を開催し、YouTubeでも生配信しました。
☑️ 日 時/2024年3月14日 13:30~
☑️ 場 所/霞が関プラザホール
☑️ アーカイブ動画URL/ https://www.youtube.com/watch?v=tpKBkUNJbRI
(左上から:期日報告会見に臨む「結婚の自由をすべての人に」訴訟 東京弁護団 寺原真希子弁護士・沢崎敦一弁護士・上杉崇子弁護士/原告 河智志乃さん・鳩貝啓美さん・山縣真矢さん・福田理恵さん・藤井美由紀さん/仲村渠 桃弁護士)
また、判決報告集会後には、同日15:00から判決が言い渡された北海道訴訟チームの札幌高裁前における旗出しのもようを生中継し、違憲判決を会場のみなさまとともに喜び合いました。
【今後について】
わたしたちは、婚姻の自由と平等が真に実現され、セクシュアルマイノリティの尊厳が回復されるその日まで、みなさまとともに力を尽くす所存です。
最後となりましたが、今回の5件目の違憲判断を含めたすべての違憲判決は、セクシュアルマイノリティに対する差別・偏見に立ち向かってきた先人たちの努力と、みなさまの支えがなければ勝ち取ることができませんでした。あらためて深く感謝を申し上げるとともに、引き続き温かなご支援・ご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。