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最新情報
東京第2次訴訟控訴審 第2回口頭弁論期日(2025年1月28日)
東京弁護団からのお知らせです。
「結婚の自由をすべての人に」東京第2次訴訟控訴審の第2回口頭弁論期日が行われましたので、ご報告いたします。
日 時:2025年1月28日 15時00分から15時30分
場 所:東京高等裁判所101号法廷
裁判官:増田稔裁判長、小海隆則裁判官、藤倉徹也裁判官(第24民事部)
出 席:控訴人7名 控訴人ら代理人21名 被控訴人代理人4名
【第1回口頭弁論期日の内容】
1 弁論の更新
裁判官1名が交代したため、「弁論の更新」という手続が裁判冒頭で行われました。
2 各書面の提出及び陳述(各書面のURLリンクはこちら)
(1)控訴人ら
控訴人らは、本期日前に複数の主張書面を裁判所に提出しました。具体的には、下記のとおりです。
・控訴審第2準備書面(新ヶ江・谷口・加藤意見書について)
・控訴審第3準備書面(パートナーシップの場合の不利益)
・控訴審第4準備書面(控訴人の主張について)
・控訴審第5準備書面(24条1項、24条2項、14条1項、従たる主張2について)
・控訴審第6準備書面(国賠法上の違法性について)
(2)被控訴人(国)
・なし
3 意見陳述
(1)控訴人鳩貝さんの意見陳述(意見陳述書要旨全文はこちら)
鳩貝さんは、河智さんと人生の伴侶として時を重ね、18年になります。お二人は、法律上異性の夫婦と何ら変わらず、協力しあって共同生活を営んできました。公正証書を作るなど自分たちで対策できることはすべてしてきましたが、それでも、「結婚」という巨大な壁を超えられず、「異性の夫婦と全く同じ状態にならないことに虚しくなります。」と想いを伝えました。
また、住民票の続柄について、制度が変更されるたび、「同居人」「縁故者」などと変更手続をとり、6年間で4回もの手続を経て、やっと「妻(未届)」としたことを語りました。しかし、「妻(未届)」の運用は、自治体の自主的な取り組みにすぎず法的な効果はないこと、「結局は、国の法律が変わらなければならない」「1日も早くわたしたちの住民票の続柄を『配偶者』に変更できる日を心から望んでいます」と裁判所に訴えました。
最後は、「伝統」や「社会的承認」を重んじて目の前にいる私たちの存在を受け止めてもらえなかった東京二次地裁判決に対するやるせなさを伝え、本判決においては「わたしたちの現実を受け止め、明快な論理で、違憲という判断を出してくださることを信じています」と裁判所へ期待の想いを伝えました。
(2)控訴人河智さんの意見陳述(意見陳述書要旨全文はこちら)
河智さんは、提訴から4年、結婚が認められることのないまま過ぎる時間に、大きな犠牲を払っていることを語りました。自分たちの親の老いを感じる中で、親が自分たちのことを覚えていられる年月も僅かであり、「親たち、特に自らの偏見に苦悩した私の父親には、同性どうしの婚姻が可能になった社会を、一緒に迎えて欲しかったです。お互いの両親がそろった場で、晴れて結婚する姿を見せてあげたかった。」と切実な想いを伝えました。
そして、「当事者だけでなく、その大切なひとたちも婚姻を待ち続けている」と裁判官へ訴えました。
また、「婚姻制度は法的効力だけでなく、それ自体が幸せの象徴」「社会に根付いた結婚観や倫理観は、異性愛者だけが独占するものではないはず」「憲法制定時に、婚姻の当事者が同性どうしであることの想定がなかったなら、その解釈をアップデートするのが今ではないでしょうか」と語りました。
最後は、「目の前の私たちを見て判断して下さい。傍聴席にも、その後ろにも多くの当事者が同じような境遇にあり、婚姻の平等を待ち望んでいます。」と静かに、強く、裁判所へ訴えました。
(3)代理人沢崎弁護士の意見陳述(意見陳述書要旨全文はこちら)
沢崎弁護士は、札幌・東京一次・福岡の3つの高裁判決に続いて、本訴訟においてもより踏み込んだ判決が下されるべきとし、3つの残された課題と題して、踏み込むべきポイントについて話しました。
具体的には、①別制度はたとえ同じ内容であったとしても憲法上許容されず、現行の法律婚制度への包摂以外許されないとの判断を明確にすべきこと、②憲法24条1項違反を明確に認めるべきこと、③国賠法上の違法性を認めるに足りる事情は十分にそろっているから、国賠法上の違法性を認め、賠償を命じるべきこと。以上の3つのポイントに踏み込んだ上で判決を下すべきことを訴えました。
4 期日でのやり取り
意見陳述を終えた後、今後の進行についての確認が行われました。
控訴人らは補充の主張書面を、被控訴人(国)は反論書面を、それぞれ5月8日までに提出することになりました。
5 今後の予定
裁判所から、今後の審理の進行予定として、以下の期日が指定されました。
2025年5月20日(火)15:00
第3回口頭弁論期日(公開の手続・傍聴可能)
@東京高等裁判所101号法廷
6 期日報告会
【オンライン期日報告会】
YouTubeとリアルのハイブリッド期日報告会を実施し、生配信をしました(アーカイブがこちらから見られます。)。
日 時:2025年1月28日(火)16:30~17:30
登壇者:控訴人鳩貝さん、控訴人河智さん、控訴人山縣さん、沢崎弁護士、藤井弁護士、井上弁護士(司会)
以上