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札幌訴訟第2回期日報告!
日時:2019年7月8日13時30分から13時45分
場所:札幌地方裁判所の第805号法廷
裁判官:武部知子裁判長 松長一太裁判官 臼倉尭史裁判官
内容:
1 原告側第1準備書面の正式提出・要旨の陳述
原告側から,同性間で婚姻できない法律が違憲であることについて,すでに社会的背景からその違憲性が明らかになっていると主張していましたが,その補充として,国内外に社会情勢が刻一刻と変化していることを示す具体的な事情を主張しました。
2 被告第1準備書面の正式提出
被告側の書面は,ほとんどが形式的な認否であり,主張はわずか2ページ程度でした。主張の骨子は,憲法24条1項は「両性」すなわち男女の合意に基づくと定められており,同性間の婚姻は「想定されていない」と主張するのみでした。
3 原告側提出証拠の取調べ(甲115~甲138)
4 原告側から被告に対する求釈明(被告側書面について説明を求めました)
原告側)
被告第1準備書面のp19に記載されている「憲法は,当事者双方の性別が同一である場合に婚姻を成立させることを想定していないというべきである」との記載があるが,これは立法で婚姻を法制度化することも認められないという趣旨か,あるいは単に当時想定していなかっただけで立法は可能という趣旨か。
被告側)
その点についての回答は,持ち帰って検討したい。書面でもらえないか。
原告側)
その他の求釈明事項も含めて,改めて書面で釈明を求める予定である。
5 次回の裁判の日程調整
7月11日に進行協議期日が開かれ,その後に原告側から求釈明の書面及び主張の書面と,被告側からの求釈明に対する回答の書面が提出される予定です。
次回期日は10月16日(水)14時からと指定されました。
今回提出された書類は、Call4の「結婚の自由をすべての人に訴訟(同性婚訴訟)」で公開されているのでご覧ください。
今回も傍聴席はほぼ満席でした。国は,書面でも口頭でも,あまり具体的な主張をしませんでした。
次回期日
2019年10月16日 14時00分(第3回口頭弁論)
札幌地方裁判所の第805号法廷
期日報告会
はじめに,弁護団の綱森弁護士から,国の第1準備書面についての報告をしたうえで,本日の口頭弁論の内容について報告がありました。
これについて,出席した2組の原告カップルから感想が述べられました。
「国は想定していないって言うけど,LGBTの人々は昔からいたし,現にわたしたちはここにいる。想定されなくても,実際にここにいる。」
「国は具体的なことを主張せず,逃げたんだなと思った。」
「国がそういう対応なら,裁判所に救済を求めるしかない。裁判所に期待したい。」
などのコメントが印象的でした。
(原告のみなさん)
その後,弁護団から,求釈明(説明を求めること)により国の考えを明らかにさせたい,という説明がありました。
マスコミの方が帰った後は,お茶とお菓子をつまみながら,弁護団の加藤弁護士と須田弁護士から,ニューヨーク視察の報告をしました。立法府だけではなく,民間支援団体,行政,大学,そして裁判所までも,日本とは全く異なる次元で丁寧なLGBTQの対応をしていることに感銘を受けつつも,アメリカもここ4~50年で変わったのだから,日本はもっと速いスピードで近い将来変われるはずだ,というお話をしました。
次回以降も、毎回期日報告会は開催いたしますので、今回参加できなかった方も、ぜひご参加ください。
(右:加藤弁護士,左:須田弁護士,参加者席1列目に座っているのは新弁護団員の上田弁護士)