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【連載】「マリフォー国会 – 同性婚を伝えよう」③ 訴訟報告
弁護団の上杉崇子より、訴訟の状況の説明がありました。マリフォー国会で報告された内容に加え、その後、12月2日に行われた九州訴訟第1回期日の様子など、最新情報を追加してお届けします。
上杉崇子(「結婚の自由をすべての人に」訴訟全国弁護団連絡会・事務局長)
国の主張は「想定していない」の一点張り
今年2月に北海道、東京、名古屋、大阪で提訴され、9月には九州でも追加の提訴がされました。先行の4地裁は今年の10月、第3回期日まで終了しています。九州の第1回は12月2日です。
この間、被告である国の主張は「憲法24条1項は同性婚を想定していないから憲法違反にはならない」との一点張りです。原告は「同性婚ができない現状は性的指向を理由にした不当な差別であり、平等を定めた憲法に反する」という主張もしているのですが、これに対しても国は同じ返答を繰り返すだけです。
このような極めて不誠実な国の対応に対して、北海道と名古屋では、裁判所が被告に対し「もっと踏み込んだ、きちんとした主張と立証をするように」と指示を出しています。具体的には、「現在の法律上の婚姻は男女間においてのみ認められるとしている現行民法および戸籍法について、立法目的および立法目的を達成するための手段として合理性を支える立法事実が現在の段階でも存続していることを示す資料を提出するように」等といった、突っ込んだ指示を出しています。
一方、東京と大阪の裁判所は、適切な訴訟指揮をせずに国の不誠実な態度をそのままに放置するというひどい状況が続いています。東京と大阪の弁護団は、この状況を打破するための作戦を練っているところです。
2021年には各地裁で判決が出される見込みです。同性カップルが結婚から排除されている現状が、同性カップルの婚姻の自由を侵害し、許されない差別であるという当たり前の判決を勝ち取ることができるよう、これからもがんばっていきますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。
追記 九州の第1回は、100名以上の傍聴希望者が来てくださいました。
北海道の第4回は12月25日、東京、名古屋、大阪の第4回、九州の第2回は、来年2月です。
傍聴をすることでぜひ応援ください。
裁判の日時などは、マリフォーのホームページ内のブログの訴訟情報(https://www.marriageforall.jp/blog_category/%e8%a8%b4%e8%a8%9f%e6%83%85%e5%a0%b1/)、Twitter(https://twitter.com/marriage4all_)などでご確認ください。
text:萩原まみ photo:谷山廣