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レポート 国会関係 マリフォー国会

2019.12.15

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【連載】「マリフォー国会 – 同性婚を伝えよう」⑥国会議員メッセージ(3)

出席した国会議員からの激励メッセージが続きます。

国会議員3

正確な記録に基づいて、ご登場順に発言を紹介していきます。ただし、読みやすくするため、重複箇所を省略し、語句の統一などの修正をした上で、議員と当事者のスピーチを分けて並べました。無所属の方につきましては、会派所属がある場合は会派も掲載しています。(党名、所属などは、2019年11月19時点)

 

初鹿明博議員

初鹿明博衆議院議員(立憲民主党)

今のお話を聞いて改めて、私たち国会議員、すぐにでも法律を作らないといけないなということを決意を新たにしたところです。なかなか議論が進んでいかないでいることに反省をしなければならないと感じました。

安倍総理は外交のことを話すときに「自由と民主主義と基本的人権を共有する国々と提携する」ということをしばしば言いますよね。日本は自由主義の社会です。では、自由は何かといったら好き勝手にいろんなことやっていいということではなくて、個人個人が自由に自分の人生を選ぶことができる、住むところもそうだし、職業も、そしてこれから人生を共にする相手を選ぶことも含めて、国家とか宗教とか家、親に縛られないで生きていくことができる、それが自由で、それを尊重する国が日本だということだと思います。

そういう価値観のある自由な国だと誇るならば、婚姻平等法はただちに成立させる必要があると思います。

我々より上のかなり年配の方々は価値観を共有できないなぁというふうに思うことも多いんですけれども、その一方で若い方々は価値観が変わってきているんじゃないかなというふうに思います。

実は、夏休みに高1の娘が宿題に選んだ新書が『LGBTを読みとく: クィア・スタディーズ入門』という本だったんです。家庭のなかでそんな話はしたことないんですが、高校生の娘が関心を持っていることに驚いて理由を聞いたら、アメリカのドラマでゲイの子がいじめられていて、そんなことでいじめられるのはおかしい、調べてみようとその本を選んだ、と。友達と話をしてもみんな同じような感じだと言っていました。おそらく若い人たちの間ではずいぶんと価値観が変わってきているんだろうと思います。

後は、我々国会議員が古い価値観の先輩方を説得していくのが役割かなと、ここに並んでいる議員みんなでがんばっていきますので、引き続きいっしょに戦っていきましょう。


小宮山泰子議員

小宮山泰子衆議院議員(国民民主党)

埼玉7区、小江戸、川越出身で活動しています。「レインボーさいたまの会」の皆さまにはいろいろなことを教えていただいて、アドバイスをもらっております。

今日、当事者のお話を直接聞くというのは大きいんだなと改めて実感しています。私の住んでいる川越にもカップルの方、いらっしゃいます。一昨日もお目にかかっていろんな話を聞いておりました。私自身は、シングルです。好んでシングルかというよりは現状シングル、ずっとシングルなんだけどね(笑)。正直、結婚をしたいかというと、周りの夫婦を見ているとそれなりにめんどくさいし大変そうだなって。それでもいっしょになろうと思う相手に巡りあえているということは、私から見ればほとんど奇跡です、うらやましいぐらい。それなのに幸せになるためのひとつとして制度が不備であるというのはおかしいんじゃないかというのが素直な気持ちです。

結婚の自由というもの、憲法に違反していることではないと思っています。制度を変えればいい、障壁があるならそれを変えればいい、そのために政治があるんだと信じていますし。社会のなかの障壁は当事者が周りにいて知っていればハードルを越えやすくなる。知らない人が多すぎる。それで、何年か前から習うより慣れろで映画を使って地域の啓蒙活動をさせてもらっています。最初はハーヴェイ・ミルクのドキュメンタリー、12月は『私はワタシ~over the rainbow~』の上映会をやって、その後、ディスコパーティーをしちゃおうかな、と。隣はそうかもしれない、違うかもしれない、まぜこぜでみんないるのがいい、それが楽しくて、ダイバーシティが社会の活力になる。そう信じて、仲間と共に進めていきたいと思っています。

私たちの政治をやっていく信念は、皆さんの変えてほしいという思いがあってこそです。私もしっかりと歩調を合わせていきたいと思います。


 打越さく良議員

打越さく良参議院議員(立憲民主党)

最近、参議院議員になったばかりで、これまで長く弁護団長の寺原さんと選択的夫婦別姓を求めて訴訟をやってきました。ふたりが愛情をもって生活したい、それでいいじゃないか、事実婚でいいじゃないか、そういうことじゃなくて、制度が利用できないことによる不安とか懸念とか、承認されていないということがあるわけですよね。

ひとりひとり生きやすくなるために制度を用意する、それが国のはずなのに、むしろ制度から排除する、戦わなくてはいけないようにするというのは、弁護団のときに苦労したことを思い出して胸がいっぱいになりました。

最近よく自民党のほうでも多様性という言葉を使いますけれど、そういうアバウトな言葉ではいけないな、自由とか平等とか差別はいけないということをしっかりと主張して、求めていかなければいけないと思います。皆さま方に敬意を表すると共に、私も戦っていかなければと思います。


山添拓議員 

山添拓参議院議員(日本共産党)

なぜ同性婚を認めず、異性同士の結婚しか認めないという法律になっているのか。異性同士でしか子どもを生まない、子どもを生むための関係しか制度として承認をしない、社会の歴史がそうさせているのではないかと思います。子どもを生むという関係を最大限尊重するという考えがずっと背後に流れている、それだけを保護しようという背景があるんじゃないか、と。

先日、角田由紀子さんという性暴力、性犯罪で活動されている弁護士さんのお話をお聞きしました。今、フラワーデモというのが毎月各地で行われていますけれども、性犯罪の無罪判決が相次いでいる、暴行や脅迫による性行為でなければ犯罪として処罰されないのはおかしいのではないかという声が広がっております。暴行脅迫によって盗んだ場合は強盗になります。単に物を盗んだのであれば、窃盗、犯罪だ。しかし、性犯罪の場合は暴行脅迫によって黙らせた場合しか罪にならない。これはおかしいんじゃないかと言われています。なぜそういう規定になっているのかというと、結婚関係において、そうでなくても、女性が性行為に応じるのは当たり前なのだと、子どもを作るために応じて当然だと、そういう社会が作られてきている。日本の刑法は意に反する性行為を犯罪としていない。しかし、今、嫌なものは嫌だ、ひとりひとりを大事にするべきだ、どのような関係を結びたいのかを尊重する、というのが世界的な流れになってきています。

憲法24条の下で言われているのは、「ひとりひとりの婚姻の自由を保障する」ということだと思います。

この間、野党が同性婚を認めるべきだという意見書を提出しました。日弁連が同性婚を認めないのは人権侵害だという意見書を作り、9月に宇都宮地裁が憲法24条は同性婚を否定しているわけではないんじゃないかという判決を出したことにも見られるように、同性婚を認めようという大きな動きがいろんなところで起こってきています。

国会でもさらに大きな輪を広げて、制度を、日本社会そのものを変えていけるようにがんばりたいと思います。


西村智奈美議員

西村智奈美衆議院議員(立憲民主党)

この多目的会議室がいっぱいに埋まることはそうそうないんですが、今日、こうして原告の皆さん、弁護団、支援者、当事者、関係者が集まってこの集会を開催されていらっしゃいますこと、ありがとうございますと申し上げたいです。先の国会で婚姻平等法を提出いたしました。今の時点ではここまでですが、十分じゃないところもありますので、法案が成立したらまたブラッシュアップもしていけないと思っているところです。

地球上で、どこの国に暮らしているかによって制約を受けるという、差別や不平等はあってはいけないと思います。人口が77億人。このなかで同性婚が法的に認められている国、けっこう多いと思います。でも、わが国では認められていません。77億人のなかでパートナーになりたいと思う人と出会うのは奇跡だと思います。その奇跡がめぐってきたのに制度との狭間で結婚できないというのは差別だと思います。ですので、これを取り払ってすべての人に平等な婚姻が可能にできる、それは立法府の責任です。

なかなか身近に接していないとわからないということもありますが、若い人たちはフレンドリーですし、理解も進んできていると思います。皆さんでお気づきのこと、何かできるんじゃないかということがありましたら、じゃんじゃん教えてください。

私たちも国会のなかで多数派工作といいますか、配布資料によると河野太郎さん、武井俊輔さんもOKしてくださっているので、そこも突破口にして説得していきたいと思っています。


ご来場いただいたにもかかわらず時間が合わずスピーチがいただけなかった、または、秘書の方がご来場されたのは(敬称略、順不同)

細野豪志衆議院議員(無所属、自由民主党・無所属の会)

三原朝彦衆議院議員(自由民主党)

本多平直衆議院議員(立憲民主党)

以下、ご来場はかなわなかったものの、当日配布されたメッセージ集に賛同のメッセージを寄せてくださったのは(敬称略、順不同)

河野太郎(自由民主党)

武井俊輔(自由民主党)

安江伸夫(公明党)

山内康一(立憲民主党)

斎藤嘉隆(立憲民主党)

本多平直(立憲民主党)

山尾志桜里(立憲民主党)

神谷裕(立憲民主党)

道下大樹(立憲民主党)

中谷一馬(立憲民主党)

石川香織(立憲民主党)

泉健太(国民民主党)

古賀之士(国民民主党)

田村智子(日本共産党)

倉林明子(日本共産党)

本村伸子(日本共産党)

杉本和巳(日本維新の会)

木村英子(れいわ新選組)

 

ありがとうございました。

 

 

text:萩原まみ photo:谷山廣


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