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【選挙情報】結婚の平等(同性婚)に関する各政党の考え~政党公開質問状への回答~
10月18日までに次の各政党に送付した結婚の平等(同性婚)に関する各政党の政策・考え方を質問する公開質問状への回答(→公開質問状の詳細についてはコチラ)が、10月19日、以下の9政党から集まりました。
9政党:自民党(以下「自民」)、立憲民主党(以下「立民」)、公明党(以下「公明」)、共産党(以下「共産」)、日本維新の会(以下「維新」)、国民民主党(以下「国民」)、れいわ新選組(以下「れいわ」)、社民党(以下「社民」)、NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で(以下「NHK党」)
♦全9政党中、公明党含む5政党が「同性間で婚姻ができるようにするべきだ」と回答
与党を構成する公明をはじめ、立民、共産、れいわ、社民の5政党が、婚姻とは別の制度であるパートナーシップ制度の法制化ではなく、「同性間で婚姻ができるようにするべきだ」と回答しました。
上記の5政党以外の4党(自民、維新、国民、NHK党)は、「その他」を選びました。
具体的には、維新は、同性間で婚姻ができるようにするべき、または、婚姻とは別の制度であるパートナーシップ制度を法制化すべきと述べた上で、同性婚の制定が望ましいと述べつつ、同性婚には憲法や関連法との関係整理を含め多くの課題があるとし、婚姻とは別の制度であるパートナーシップ制度を法制化することも視野に入れていくとの意見です。
一方、自民、国民、NHK党は、同性間で婚姻ができるようにするべきとの内容を含む回答をしませんでした。
自民は、現行憲法下では同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されていないという政府の立場と同様と述べた上で、一部自治体のパートナーシップ制度さえ、是非を含め慎重な検討が必要と述べています。
国民は、法整備が必要と言うものの、パートナーシップ制度の拡充・法制化の検討などが例にあげられるに留まっています。
NHK党は、同性婚における最大の障壁を憲法24条の「婚姻は、両性の合意に基づいてのみ成立」という部分にあるとし、憲法改正を検討するべき、との意見です。
(同性婚と憲法については、この記事の後半で詳しく記載していますのでそちらをご覧ください)
♦9党中7政党が、同性婚法制化の検討・審議を「今すぐ、なるべく早く」開始すべきと回答
与党である公明党を含む7政党(立民、公明、共産、維新、国民、れいわ、社民)は、「同性婚に関する検討・審議を、政府機関 や国会の公式の場にて今すぐ、なるべく早く開始すべき」と回答しています。
「今すぐ、なるべく早く」を選ばなかったのは、自民とNHK党のみでした。
実際の質問内容と回答一覧
【質問内容】
【各政党の回答】
なお、上記回答の中に、同性婚と憲法を関連させた回答がありますが、以下に述べますとおり、憲法は同性婚を禁止しておらず、同性婚法制化にあたって憲法改正の必要ありません。したがって、同性婚法制化の上で、憲法が障壁となることはありません。
*同性婚の法制化に、憲法(24条1項)の改正が必要ない根拠を端的に指摘すると
・そもそも、同性間の婚姻の法制化を禁止するとの趣旨を明示的に示した憲法の条文はない。
・「結婚の自由をすべての人に」訴訟の全国6訴訟において、被告である国は憲法が同性婚を禁じているとの主張を行ったことは無い。国会の政府答弁でも同様である。上記の自民党の回答の中でも「想定されておりません」とあるのみで、憲法が同性婚を禁止しているとは述べています。
・憲法24条1項が同性間の婚姻を禁止しているという主張は、学説上もほとんど存在しない。
・憲法制定時の資料から確認できるとおり、憲法24条1項は、婚姻が当事者以外の第三者(戸主や父母) の意思によって妨げられず当事者の自由な意思によって成立すべきことを示したものである。したがって、同性間の婚姻を禁止する趣旨で「両性の合意のみ」と規定したわけではない。
詳しくは、下記のリンクから、候補者・議員向けのパンフレットのp7をご参照ください。
本記事では、政党ごとの同性婚に対する考え等をお伝えしましたが、候補者ごとに考えを知りたい場合は、今回の衆院選では、以下のサイトが参考になります。
マリフォー国会メーター:https://meter.marriageforall.jp/
朝日新聞社・東京大学谷口研究室調査:https://www.asahi.com/senkyo/shuinsen/2021/asahitodai/
zero選挙: https://www.ntv.co.jp/election2021/research/
以上、皆さんの投票を考える際、あるいは候補者や政党に要望を届ける際に、ぜひ参考にして下さい!