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【愛知訴訟】「結婚の自由をすべての人に」訴訟 関連裁判(氏の変更許可)のご報告
法的保障の実現に向け一歩前進!
「結婚の自由をすべての人に」愛知訴訟では、愛知県内在住の大野利政さん・鷹見彰一さん(いずれも、訴訟活動上の仮名)カップルが原告(控訴人)として名古屋高等裁判所でたたかっています。
この度、鷹見さんが、名古屋家庭裁判所に申立てをして、戸籍上の氏を大野さんの戸籍上の氏と同一のものに変更する許可を得ました!
「結婚の自由をすべての人に」訴訟とは別個の裁判手続きですが、法律上同性カップルの法的保障を実現していくうえで社会的な意義をもつ審判を得ることができましたので、関連する裁判としてご報告いたします(以下、便宜上、訴訟上の仮名のまま説明します)。
1.氏の変更許可審判の概要
(1)手続きの経過
鷹見さんは、昔から「結婚して夫の姓に変わること」に憧れを持っており、大野さんとの生活を始めてから大野の氏を使用して生活してきました。
他方、大野さんは、普段から性的指向をクローズにして生活しているので、鷹見さんと姓が違うことで「どうして親族関係にない男性どうしで一緒に暮らしているのか?」と詮索をされることに不安を感じ、鷹見さんと暮らしていることを知人らに知られないよう注意を払いながら生活してきました。
そういう二人にとっては、鷹見さんが大野さんの氏になれれば、より幸せで安全な生活を送れます。
2023年9月に里子を迎え、関係を他人に説明する場面が増えたため、鷹見さんの氏の変更に挑むことにしました。
家庭裁判所は、氏の変更について戸籍法107条の定める「やむを得ない事由」があるかどうかを審理します。
やむを得ないと判断されれば、許可を受けられます。
2023年11月に申立て、裁判所や調査官の聞き取りを経て、2024年3月に許可を得ました。
(2)裁判所の判断ポイント
名古屋家庭裁判所は、鷹見さん・大野さんおふたりの生活実態と、法律上同性のカップルの法的保護に関する社会情勢を踏まえ、氏の変更に「やむをえない事由」があると判断しました。
鷹見さん・大野さんおふたりの生活実態が異性夫婦と変わらないこと、そして、法律上同性のカップルに異性夫婦と同質の法的保護を一定程度与えることが社会通念上許容されることを指摘し、氏の変更を許可しました。
2.おふたりのコメント紹介
2024年5月16日(木)にメディア向けに実施されたオンラインでの記者会見にて、鷹見さん・大野さんがお話しされた内容から一部を抜粋し、コメントをご紹介いたします。
鷹見さん:
「私たちは家族だと認めてもらえたことが嬉しい」
「ないものとして生きている人にとってこの決定が勇気を得られるものになれたらと思う。これからも頑張りたい。次につなげたいというのが一番の思い」
大野さん:
「男女の夫婦と変わらないと認めてもらえてうれしい」
「各々の家庭にとって何がいいかという選択ができることが大事。我が家にとってのベストな選択が氏の変更だったというだけで、同じようなカップルもいれば、そうでないカップルもいる。LGBTQ+の当事者は選択肢がない状況に追いやられている状況があるので、ひとつの新しい選択肢が増えたことはよかった」
3.婚姻の平等実現のために
婚姻制度から排除されているためにおふたりの生活に生じている不利益のうち、氏の変更で解消できるのはごく一部です。
根本解決のため、これからも「結婚の自由をすべての人に」訴訟へのご支援をどうぞよろしくお願いいたします!
「結婚の自由をすべての人に」愛知訴訟 次回期日
そんな鷹見さん・大野さんが名古屋高等裁判所にてたたかっている「結婚の自由をすべての人に」愛知訴訟 控訴審第3回の期日は下記のとおりです。ぜひ、裁判所での傍聴にて応援してください!
☑️ 日時/2024年6月27日(木)11時00分(第3回口頭弁論)
☑️ 場所/名古屋高等裁判所 第1号法廷
期日直前の6月15日(土)には、名古屋レインボープライドが開催予定です。
弁護団メンバーはマリフォーブースを運営しつつ、パレードにも参加します。ぜひわたしたちとご一緒にパレードを歩きましょう!