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2024.09.29

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東京第2次訴訟控訴審 第1回口頭弁論期日(2024年9月26日)

東京弁護団からのお知らせです。
「結婚の自由をすべての人に」東京第2次訴訟控訴審の第1回口頭弁論期日が行われましたので、ご報告いたします。

東京高等裁判所前で入廷行動する二次控訴人らと弁護団員

日 時:2024年9月26日 15時00分から15時45分

場 所:東京高等裁判所101号法廷

裁判官:増田稔裁判長、古閑裕二裁判官、藤倉徹也裁判官(第2民事部)

出 席:控訴人7名 控訴人ら代理人15名  被控訴人代理人4名

 

【第1回口頭弁論期日の内容】

1 各書面の提出及び陳述(各書面のURLリンクはこちら→リンク

控訴人らは、本期日前に複数の主張書面を裁判所に提出しました。具体的には、控訴状、控訴理由書第1分冊(憲法24条1項)、第2分冊(憲法24条2項)、第3分冊(憲法14条1項)、第4分冊(国家賠償法)及び控訴審第1準備書面(社会の変化等)を提出しています。控訴人らは、本期日において、これらの書面を陳述しました。また、控訴人らの主張が正しいことを基礎づけるための証拠として、甲A601号証から708号証を提出しました。

一方、被控訴人(国)からは、本期日までの間に控訴答弁書が提出され、本期日において陳述がされました。証拠としては、乙35号証及び乙36号証が提出されました。

また、第一審裁判所によってされた審理の結果を控訴審に引き継ぐため、控訴人ら及び被控訴人が第一審の口頭弁論の結果を陳述しました。

さらに、第一審の審理を終えてから判決が出されるまでの間に、控訴人ら(第一審当時は原告)は、補充の主張書面として第37・38準備書面を、証拠として甲A592号証から600号証を提出していました。そこで、これらの準備書面を本期日において改めて陳述し、証拠を提出しました。

 

2 意見陳述

  •  控訴人山縣真矢さんの意見陳述(意見陳述要旨全文はこちら→リンク

山縣さんは、意見陳述において、東京地方裁判所(第一審)が、法律上同性間の婚姻を認めない理由の一つとして、いまだ「社会的承認」がないことを挙げたこと、同性婚に賛成意見を表明する世論調査の結果に対して「否定的な意見を持つ国民が少なからず存在する」と恣意的な評価を行ったことに対する怒りや恐怖などについて訴えかけました。

また、性的少数者の権利獲得の歴史を述べ、裁判所は人権感覚をアップデートした判断を行うべきことを力強く主張されました。

 

  •  控訴人武田さんの意見陳述(意見陳述要旨全文はこちら→リンク

 武田さんからは、武田さんと武田さんのお子さん、一橋さんの3人での暮らしを始めてから、衝突しながらも、時間をかけて互いに理解し支え合う関係を築いてきたことについてお話いただきました。また、その関係性は、他の家族と変わらないにもかかわらず、武田さんと一橋さんが婚姻できないことにより法律上は家族として扱われないことの不利益や不安定さにつき、武田さんが最近体調を崩され、数年後の生活が見通せなくなったときに、改めて痛感したというエピソードとともに「結婚できるようになるまでこれ以上待っていられない」という思いを語っていただきました。

 最後に、裁判所に対し、一日も早く同性婚の法制化が実現するよう、違憲状態ではなく違憲判決を出してほしいと訴えられました。

 

  •  控訴人一橋さんの意見陳述(意見陳述要旨全文はこちら→リンク

続いて一橋さんから、武田さんの入院先病院にて、緊急連絡先欄に一橋さんのことを「パートナー」として記載したところ「同居人」と書き換えられたという経験をし、「夫」と書くことができていたら関係性を書き換えられなかったのではと考えること、関係性を勝手に変えられ尊厳を傷つけられる思いをしたことについてお話いただきました。また、葛藤の末、ホルモン治療を始めるに至ったことを話していただきました。

また、一橋さんの転職により、武田さんと離れて暮らすことになり、お二人が法律上夫婦ではないことによる不安が以前より大きく現実的なものになったこと、武田さんからは婚姻できない状態で武田さんがいなくなってしまってもその後の一橋さんの生活が安定したものになるようにと転職の後押しをされたこと、武田さんの体調が心配であるが悩みながら転職を決断したことを語っていただきました。

最後に「私たちは他人のまま死にたくはありません。」と裁判所に訴えられました。

 

  •  代理人沢崎弁護士の意見陳述(意見陳述要旨全文はこちら→リンク

控訴人ら代理人の沢崎弁護士は、その意見陳述において、裁判所が今後審理を行うに当たって押さえるべき憲法論上のポイントについて話しました。

具体的には、憲法の条文の意味の解釈は、憲法制定後の社会状況等の変化を踏まえて行わなければならないこと、法律上異性のカップルに婚姻を認め、法律上同性のカップルに婚姻を認めないとの区別を、憲法上正当化するほどの違いが真に存在するのか、「個人の尊厳」と「法の下の平等」という憲法の基本原理と事実に照らし厳格に審査すべきこと、法律上同性のカップルに対し婚姻の代替制度しか認めないことの憲法適合性について厳正な目で審査すべきこと、違憲状態という曖昧な判断ではなく「違憲」との明確な判断をすべきこと。以上の4つのポイントを押さえた上で審理を行うべきことを訴えました。

 

3 期日でのやり取り(概要)

意見陳述を終えた後、今後の進行についての確認が行われました。

控訴人らは、次回の期日までに、被控訴人から提出された控訴答弁書に対する反論書面を提出することとなりました。

 

4 今後の予定

 裁判所から、今後の審理の進行予定として、以下の期日が指定されました。

2025年1月28日(火)午後3時

第2回口頭弁論期日(公開の手続・傍聴可能)

@東京高等裁判所101号法廷

 

5 期日報告会

【オンライン期日報告会】

YouTubeとリアルのハイブリッド期日報告会を実施し、生配信をしました(アーカイブがこちらから見られます。)。

日 時:2024年9月26日(木)午後4時30分~午後5時30分

登壇者:山縣さん(控訴人)、沢崎弁護士、佐藤弁護士、井上弁護士(司会)

 


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