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2019.12.11

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【連載】「マリフォー国会 – 同性婚を伝えよう」② 石黒徹弁護士講演

開会の辞に続き、基調講演が行われました。

当日はクリストファー・ラフルアー在日米国商工会議所会長のお話から始まりましたが、ここでは石黒徹弁護士の講演内容を公開します。

ラフルアー大使が会長を務める在日米国商工会議所は、意見書「日本で婚姻の平等を確立する ことにより人材の採用・維持の支援を」を発表しています。ぜひご覧ください。英語と日本語で書かれています。

左がラフルアー大使 右が石黒徹弁護士

石黒徹さん(森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士。2020年より、石黒徹法律事務所代表/LGBTとアライのための法律家ネットワーク理事)

同性婚は魔法の杖のような政策

税金を使わずに日本の国際的な競争力を強化する方法があります。日本が再び強くなれば税収も増え、経済が成長し、国民がハッピーになります。しかも、極めて簡単にできる魔法の杖のような政策。それが同性婚を認めることです。

電通ダイバーシティ・ラボが2019年1月に発表した調査結果では、日本のLGBT層の人口は8.9%です。有権者の1割に迫る人々がLGBT層であり、その方々が議員の皆さんのLGBT政策をじっくり見ています。同じ調査では同性婚に賛成する方は78.4%です。反対は2割ちょっとにすぎません。この調査は6万人を対象としたものです。日本の1割近くを占めるLGBT層の人々が個人の尊厳や法の下の平等、幸福追求権という、憲法がすべての日本国民に保障している基本的人権を阻害されています。LGBT層の8.9%というのは左利きの方やAB型の方と似たような割合だそうです。皆さまのご友人やご家族にも左利きやAB型の方がいらっしゃると思います。AB型だと幸福が追求できない、なんてことがあってよいのでしょうか。左利きの人には個人の尊厳が尊重されない、なんてことはありえませんね。同様に、LGBTの人々は法の下での平等が阻害されてもよいなどということが許されるはずがありません。

でも、それが日本の悲しい現状です。これらのことは大変重要な問題ですが、本日は、ビジネスないし日本の国際的競争力という視点から、同性婚の重要性、必要性をお伝えしたいと思います。

石黒弁護士

本国で「ふうふ」でも日本では他人扱い

バブル崩壊後、失われた10年、20年と言われたガラパゴス状態を打ち破るのには何が必要でしょうか。生産性と収益性の向上、それらを生み出すイノベーションです。それはどこから来ますか? 人材です。優秀な人材がクリティカルに必要です。自由で多様な発想力が一体となった、インクルーシブな環境のなかで、自由で多様な発想力がぶつかりあったマグマのなかからイノベーションが生まれます。自由な発想と多様性、ダイバーシティを獲得するためには、日本の優秀な人材に加えて外国人人材をいかに確保するかが重要となります。島国のなかで閉鎖的にやっていたのでは、自由な発想もダイバーシティも限定的になってしまいます。

海外の優秀な人々は、少なからず日本に来たがりません。同性婚を認めていないからです。同性婚を認めていないのはG7の7カ国のなかで日本だけです。世界でも30前後の国が認めています。

アメリカでもフランスでもイギリスでも、本国でれっきとしたふうふである同性カップルが日本に来ようとしたら、「ノーノーノー、あなたたちは日本では夫婦ではありません、夫婦とは認めません、本国でどうなっているかは関係ありません」という極悪非道とも言うべき扱いを受けるのです。日本に転勤するとき、ふうふのもうひとりには配偶者ビザが出ないので、仕方なく学生ビザを取ったりして、しのがなくてはならない。そんな国に誰が行きたいと思うでしょうか。本国ではふうふのカップルの一方が日本で事故に遭い、救急治療室に入ったら、「あなたたちは日本で夫婦ではないので治療室に入れません」と、パートナーの入室を認めてくれません。緊急手術が必要なのに本人に意識がないと手術が受けられません。承認する親族がいないからです。れっきとしたパートナーが目の前にいるにもかかわらず、手術が承認できない。それは日本の恥ではありませんか。海外の優秀なLGBT人材が来てくれるでしょうか。これが日本の惨めな恥ずべき現状です。

石黒弁護士

同性婚制度によって日本の国際競争力を向上 

同性婚を認める立法をすれば、ただちに解決することです。議員の皆さんがやろうと思えばすぐにできることです。78%以上の国民が同性婚を支持しているのです。最も手っとり早く簡単で世界からも評価され、グローバルなビジネスから歓迎されるのが同性婚制度の立法です。もちろん、外国人人材だけではありません。日本の8.9%のLGBT層人材はまことにひどい扱いを受けています。

自由な発想とダイバーシティ、日本社会、経済の再生に必要なイノベーションを生み出す、自由で多様な発想をどうしたら獲得できるでしょうか。個人の尊厳を尊重されず不平等な扱いを受け、幸福追求を阻害されているLGBT人材が能力をいかんなく発揮するのは至難のわざです。この阻害要因を取り除く、有効性の高い、即効性のある、しかも議員の皆さまがそう思えばすぐにでも税金を使わずにできる施策のひとつが同性婚制度の立法です。

最後に付言すると、今申し上げたことは外国人人材、LGBT人材だけの話ではありません。ダイバーシティ、インクルージョンが確立された社会はすべての人にとって暮らしやすく自由で多様な発想力を発揮できる社会であることは言うまでもありません。同性婚制度の立法により、日本の国際競争力を向上させることができるのは間違いないと確信しております。

text:萩原まみ photo:谷山廣


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